「いっっっっ!!!」



叶が飛び起きた。



「な、何なんですか!痛いじゃないですか!」

「大して強く蹴ってないけど?」

「は?蹴ったんですか?!酷い!」



そりゃ、酷えよな…強くなくても寝てる時に蹴られりゃ痛えよ…

原田が溜め息を吐く。



「あのさ、自分の立場、分かってるんでしょ。よく悠長に寝てられるもんだね。」

「あ……す、すみません。」


ー疲れてたんだもんー


叶は言い訳を呑み込んだ。



「まあ、叶も疲れてんだろ。事情を聞かなきゃならねえから、起こさなきゃならねえのは分かるが。総司、女に乱暴はいけねえぞ。」



ポンと叶の頭に原田が手をやる。



「悪かったな。」

「いえ。私の方こそすみません。」



二人を見て、一層不機嫌になる沖田。




「起きたんだし、さっさと話してよね。」



乱暴に座り、叶を急かした。


ーあぁ、もう本当に話さなきゃいけないのねー


叶は大きく息を吸い込んだ。