「はぁ?」

「え?おい。」



パタリと倒れた叶を見た沖田と原田が声を上げる。



「寝てるみてえだな。叶って肝が据わってんだろうな。」



ポツリと原田は呟く。



「さぁ、どうでしょうね。刀を突き付けた土方さんに楯突いたくらいですから。気弱ではないでしょう。」

「土方さんに?!女にしては相当なもんだぞ、そりゃ。」

「はぁ…起こしますかね。」



そう呟いた沖田が徐に立ち上がる。



「起こすのかよ。疲れてんだろ、その様子じゃ。少し寝かせておいてやりゃいいじゃねえか。」

「このまま寝かせてても埒があかないでしょ。」



沖田は叶の前にしゃがみ込み、その体を揺すった。


「う、ん…」


声を発するも起きる気配はない。

何度か声を掛けながら体を揺すってみる。



「ああ、腹が立ってきた。」



まるで起きる気配のない叶を見ていた沖田は、不機嫌丸出しの表情をする。



「お、おい、総司、落ち着けよ。」



その顔を見た原田が焦る。

沖田を制そうと立ち上がろうとした原田より早く、沖田は横向きで寝ている叶の背中に回る。



「ま、待て!総…」


ドカッ!!


原田の制止は間に合わず、沖田の足が叶の背中に命中した。