すっかり闇に包まれた庭に出る。

遠くで雷が鳴っていた。



「今日は昼間から鳴ってたし、夜になってもこれか。」



雷の鳴る方向を見詰めながら原田が呟く。

ゴロゴロという音は秒刻みで近づいてくる様な気がした。



「なあ、叶。話す気になったか?」



視線は空に向けたまま原田は言う。


ー話す、か。本当に信じてもらえるのかなー


原田からの問い掛けに答えられない自分自身がいた。

沈黙の間にも雷はどんどん近づいて、もうすぐそこで鳴っている。



「気晴らしとか外に出たはいいけど、そろそろ五月蝿いのが騒ぎ出す頃だけど。一体君は何しに外に出た訳?」


冷ややかな沖田の視線が叶に向けられる。