「ねえ、君さ、何で泣かないの?」

「え?」


泣き出しそうな顔をしているのに一向に流れない涙。

沖田には不思議で堪らなかった。


「ま、いっか。で?どうするか決めた?」

「どうって……」

「いい加減さ、腹が立ってくるんだよね。そのはっきりしない態度。土方さんに啖呵切ったくせに。ちっとも楽しめない子だったね。決まらないなら僕が決めてあげようか。」


その手が刀へと延びていく。


「おいおい、物騒だな。」


殺気を放った沖田を制する聞きなれない声。


「女は丁重に扱うもんだろ、総司。」


声の主は叶と沖田の間に立った。