「春だけど?それがどうかした?」
叶の余りにも驚いたその顔を沖田は不思議そうに覗き込む。
「分かんない。こんな変な夢、初めて……どうやったら起きられるの?」
ボソッと一人言の様に呟く。
「夢?叶ちゃん?君、大丈夫?」
ー大丈夫?大丈夫な訳ないー
「取り敢えずさ、ずっと此処に居る訳にもいかないんじゃない?家は何処?」
「家?」
「そう、家。」
そう沖田に問い掛けられ、周りを見渡しても辺りは竹林。
「…………分かりません。」
「え?」
そんな二人のやり取りをそれまで静観していた土方。
痺れを切らせた様に口を開いた。



