突然の叶の行動に、土方も沖田も驚く。


「俺等の話が聞こえなかった訳じゃねえだろ。勝手な行動は許さねえと言った筈だ。」


土方が刀を持ち直す。


「……殺せば?」


小さく呟いた叶。


「え?」


それに驚きの反応を見せたのは沖田だった。


「私が何でここに居たのかは分かりません。お互い違いすぎる格好も。……ただ、分かるのはそちらは法律に違反していると言う事と、私が刀を向けられる筋合いは無いと言う事です。私が倒れていたところにたまたまそちらがやって来た、違いますか?それだけでそんな物突き付けられても困るんですけど?」


淡々と、土方等を見る事もなく、荷物を拾いながら叶は言う。


ーそれに……死ぬならそれでもいい……全部忘れられるー


「ぷっ、あはは、あっはははは~。」


ガサガサと荷物を拾い上げる音に盛大な笑い声が重なる。

見ると沖田が大笑いをしていた。