叶は自らに突き付けられた刀に、ただ恐怖を覚えるしかなかった。


「お前の素性が分からねえ限り、勝手な行動は許さねえ。」


土方に向けられた刃をジッと見つめる叶。

そこに沖田が小さく溜め息を吐いて叶に言う。


「怖がらせてごめんね。只、叶ちゃんは僕等と余りにも違いすぎるからさ。素性を明かして貰えないかな?」


ー違いすぎる?確かに……けど、今どきこんな格好して刀とか……おかしいのはそっちじゃないー


どう考えても初対面の相手に刀を突き付けられた叶は段々と怒りを感じてきた。

スッと刃から体を引き、再び散らばった荷物を拾い始めた。