4月7日、晴れ。

朝から、お母さんもお父さんもバタバタしていた。

「じゃあ、行ってくる」
父がそう言って出かけた。

「私も出るわ」
そう言って母も家を出て行った。

今日は入学式なのに、父も母も、2人揃って仕事。

「行ってらっしゃい」
そう呟いた時にはもう、2人の姿は見えなくなっていた。

いつからだろう。

父と母の仲が悪くなったのは。

家だけが、私の居場所だったのに。

そんな居場所は、いつの間にか無くなってしまっていたの?

家に居ても、心が休まることは無くなっていた。





そんな事を思いながらも、1人、高校へと向かった。