洗いものをしながら、ひとり考えていた。


久馬くんが私の妊娠に大した反応をしなかったのは…やっぱり…一度、流産しているからかな…。


落馬で休養を余儀なくされ、1年かかって復帰したころ、私の第1子妊娠が発覚した。


あの時も、大喜びしたわけじゃないけど


『嬉しいことって続くものなんだな』


…って言ってくれた。妊娠を喜んでくれている感じはしたけれど…。


流産した時の私は、『哀しい』とか『泣く』とかそんな次元じゃないくらいに落ちこんでいた。でも、それを他人には見せたくなくて。久馬くんの前だけで。


そんな私を見ているから今回の妊娠を喜べなかったのかな…。