北本くんは一時期、腐っていたことがあり、オレがカツを入れたことがキッカケで、慕ってくれるようになった。


「今、久馬に幸せをわけてもらってたんだよ」

小山先生が優しい笑みを浮かべた。

「幸せ?久馬さん、
オレも欲しいッス!」

「…今日の北本くん、カリフラワーみたいな頭してるな。ヘアスタイル変えたの!?」

照れくさくて言えなかった。


「久馬さ~ん…オレのことはいいですからっ!
幸せって…?」

オレの気持ちを察したのか、先生が言った。

「今朝、父親になったんだよ。久馬が!!」

「産まれたんッスか!?おめでとうございます!!」

「どーも」

「男?女?」

「女の子だ」

「箱に入れそうッスね」

バシッと叩かれた。

「ウッセー、痛い」

そう言いながら、思わず照れ笑いを浮かべた。

「赤ちゃん、
見たいッス!!」

「嫁の体調が落ち着いたら、見に来てよ」

「うっす!」