「オマエ、ここで立ち止まっただろ?」

あの時…。
ショーウィンドのアクセサリーに目がいって、立ち止まった。

覚えてくれていたんだ!

「こういうの、好きか」

「一応、女の子だから」

そう応えると、さっさと中に入っていった。

久馬くんは、指輪が置いてあるコーナーへ行った。

「お揃いで買おう」

「そ…そんな高価なものじゃなくていいよっ!」

私の言うことは聞かずに指輪を眺める久馬くん。そこへ店員さんが歩み寄ってきた。

「どういった商品をお探しですか?」

「結婚指輪を」

えっ!?