お風呂に入りながら、お互い土日のことを話す。久馬くんは、レースのことを、私はおとなしく過ごしていたから、特に話すようなこともないんだけど。


あ…話すこと、あった。

「そういえば最近、胎動らしきものを感じるんだよね」


「へぇー」


興味があるのか無いのかわからない返事。


「元気に動いているんだよ。後で触ってみる?」

「ああ」


「…で、ね。元気だから…その…厩舎でお手伝いしたいんだよね…」


「………」


返事がない。


「ダメ…かな…」


「オレがダメだと言っても、オマエは行くだろ」

う゛…。


「無理だけは、するな」

「わかってますよぉ」


そう返事をすると、ピュッと水をとばされた。


「オマエだけの体じゃないんだぞ」