その日は結局志乃は家に帰っていった。
次の日、志乃は学校に来なかった。

お昼ごろ、志乃からメールが来ていた。
内容を見ると、≪風邪引いた≫だけだった。

「日和ちゃん」

波音くんに名前を呼ばれ、振り向くとノートを渡された。

「え?」

なんでノート???
波音くんはそんな私を見て、ニッコリと笑った。

「俺の変わりに志乃のお見舞い行ってね?そのノート理由にしてね」

波音くんって実は頭が良い…。

「ありがとう、志乃にメールするね!」

鞄の中から携帯を取り出すと波音くんはニヤリと笑った。

「日和ちゃん?志乃の吃驚した顔見たくないの?」

んん?吃驚した顔??

「見たいよ?」

波音くんは私の返事を聞くなり、私の携帯を取り上げた。

「んじゃ、メールしたら意味ないでしょ」

そう言って私が打ったメールの本文を消して、新たに文字を打ち直した。