「やっぱり佐倉さん彼氏居るんかなぁ?」

クラスの山本が呟くと志乃のこめかみに一つの青筋がたった。
何、この子。危険な気がしたしオーラ怖いし。気づけよ、山本!!

「え、右京。俺なんか悪いことした?」

俺の気付けオーラを察知したのか山本は志乃に恐る恐る聞く。

「別に」

志乃の返事を聞いてあぁ、そうか。と一人納得する自分。
まだ志乃と日和ちゃんが付き合ってることは数少ない。
自分の彼女と胸を張って主張しない志乃はやっぱり、自分の女関係のことを考えて悩んだ末だろう。
仕方ないと言えばそれで終わるだろう、でもそう思うのは俺が男だからで、女から見れば最低なんだろう。現に今、咲羅の扱いは酷いし…。
今日やっと日和ちゃんは志乃の女関係を聞ける。
聞きたくないと思う、酷い話だと。

「志乃、当たって砕けろ」

そう言って俺はいつもと変わらない笑顔で笑う。

「砕けるのはお前だけだ」

志乃はいつもと変わらない微笑を浮かべるんだ。
俺は少しでも志乃が緊張しないように。

「どういう意味なん?」

さて、俺はいつもと変わらないように志乃に絡みますか!

波音SIDE...END