「た、ただいま。」

なんで自分の家に帰るのに怯えなきゃいけないんだろ…。

「おかえり、今日は、水希の家に泊まりなんじゃなかったか?」


「そうだよ。明日の学校の用意と着替えを取りに来たの。」

私はそう言って背中を向ける、

昔は大好きだった。

お母さんが近づくなって言うまではいつも、一緒に遊んでた。

5歳の時だっけ?

お兄ちゃんと遊んじゃダメって言われたのは。

「水希も一緒か。そうだよな。深海は、俺と二人きりになると怒られるもんな。」

その理由が私にはわからないんだけどな…。
「水希、これ、おばさんに渡しといて。高級なやつじゃないけど、深海が泊まるから、お礼にって。」

お兄ちゃんは、そう言ってクッキーを渡した。

「ありがとう。」

その間に私は部屋に向かうことにした。