水希ちゃんと2人登ちゃんの部屋を出て、水希ちゃんの部屋へと向かう。
女の子らしいとは言い難い殺風景な部屋。ゲームと漫画そして小説が沢山並んでる。でもやっぱり、なんとなく落ち着く。
「水希ちゃん、おすすめの漫画とかあるのー?」
「最近はこれかな、少年漫画なんだけど絵が綺麗だし、何より内容がいい。」
一冊の漫画を手に取る。それは、私の大好きなスポーツの話のようだった。
「水希ちゃんってシンクロ興味あったっけ?」
「ぜーんぜん。でも、航があまりにも勧めるからさ、読んでみたらハマって。航がくれたのよ、25冊全部。だからたまにあいつも読みに来るんだけどね。」
航ちゃん、やっぱり好きなんじゃん、シンクロ。そう思うと何故か涙が出てきて、溢れてきて、頬と布団を濡らした。
「…漫画濡らさないでよね?」
水希ちゃんのその言葉は、どこか冗談めいていて、そして、自分の服が濡れることも気にせずただ、抱きしめてくれたのだった。
「ね、あいつはまだシンクロが好きだし、やりたいって思ってる。正直何にもならないのによ?」


