中学2年生だというのにどこか小学生のような幼さが残っていて可愛い。

「あ、登、おかえり。」

部屋から降りてきたばかりらしい水希ちゃんが登ちゃんに声をかける。

「みーちゃんただいまー。」

「手を洗って荷物置いといで。ほら、航は座る。」

仕方なさそうに航ちゃんは私の隣に座る。

「航いつまですねてるの?」
「すねてねーよ。」

「深海、航なんかの隣じゃなくて私の横きたら?」

いつもの私なら航ちゃんの横にいる!って答えるだろう。

「う、うん。」
って水希ちゃんに答えてその横に腰を下ろす。

「じゃぁ、俺わっくんの横ー!」

何も知らずに無邪気な登ちゃんにちょっと安心する。

「深海ちゃん。ごはんこぼしてるわよ。」

きっとこんなおばさんの声もきちんとは届いていなくて。

ただ、ボーっと何もない気がしている。

でも、実際は、箸も口も動いていた。