それはもちろんそうなんだけど、と告げる。
「航ちゃんに、喜んで欲しいの…。でもね、航ちゃんを怒らせちゃったから…。」
「深海。航を喜ばせたいって気持ちは分かったけど、自分の喜びも、見つけないと。」
自分の喜び……
「私の喜びはもう、叶わないよ。航ちゃんと、海渡と、波流の、シンクロを見ることだもん。」
だって、それが私の全てだから。
「……航ちゃんにね、飛んで欲しかった。でも、飛べないんだって。」
見たんだよ、私。航ちゃんが水中から飛んだり跳ねたりしずに、潜水とかばかりで時間を潰してたこと。
きっと、航ちゃんは水は好きなんだと思う。でも、シンクロはもう好きじゃなくなっちゃったんだよ。