〜放課後〜

「航ちゃ、」

航ちゃん、女の子に囲まれてる。

やっぱり、モテるんだ…。

「…深海?」

航ちゃんが、私に気づいて走ってくる。

「どうした?」

「今日ね、航ちゃん家にお泊まりなんだ。一緒に帰ってもいいかな?」

「…仕方ねぇな。練習、5:00で早退するから中で見て待っとけ。」

早退…?

そんなことしていいの?
私の、ため?

「ありがと。」

消えそうな声で言ったんだと思う。

航ちゃんは、振り向かなかったから。

「ねぇ、あなた、航の彼女?」

2.3年生のお姉様…!

「お、幼馴染です。」

ほ、本当のことだもんね。

別にいいよね。

「そうなの?可愛いから彼女なのかと思った〜!ねぇ、バスケ部のマネ、やらない?」

どうやら、マネージャーに、誘われたようです←


「あたしは、富山絵里!よろしくね、」

「は、はい!」

私たちはたくさんの話をした。

「航は、ファンが多いの。気をつけてね。ぁ、塔矢ー!ナイスシュートッ!」

航ちゃんにファンが多い、なんだか、その理由がわかる気がする…。

無愛想だけど、なんだかんだ、みんなに優しくて…。

「富山先輩、」

「絵里で、いいわよ。」

「絵里先輩、航ちゃんのポジションはなんですか?」

バスケのことはあんまり知らないけど、ポジションくらいは昨日勉強した。

航ちゃんの、部活のことだから。

「シューティングガードよ。」

シューティングガード。

シュートやパスやドリブルとかの技術に、判断力が必要なポジションだよね…。

航ちゃんすごいな…。