飛べないイルカ


まずは、海渡と、波流が、中に入って演技をする。曲のCDは、なかったけど、ケータイに音源があったからそれを流した。

小学校の時よりうまくはなってるけど、荒削りだ。

それでも、ブランクがあったにもかかわらず下手になってないのは、毎日練習してたからかな。

「俺らもやるぞ。」

棗先輩が、広瀬くんたちに声を掛ける。

そして、私にCDデッキを渡す。

「これ、流してくれ。」

私は頷いて、デッキを受け取る。

どんな演技をするんだろう。

準備ができたという合図と同時に私は曲を流し出す。

「…え…?」

私の想像とは似てもにつかない、下手くそな演技。

美しくない。

失敗なんかしょっちゅうだし、タイミングずれてるし。

でも…何処か魅力的?


きっと…楽しそうだから、一生懸命なのがわかるから…。