「さんきゅ。波流。」

そう言って航は、抹茶味のアイスを波流から受け取った。

俺も、お礼をボソッと言って受け取る。

そういや、深海は、何味が好きなんだっけ…。

「お風呂ありがとうございました!」

そんな声が聞こえてきた。

もう風呂から上がったらしい。

「はい、深海ちゃん、アイス。」
「ありがとうございます!」

アイスを食べながら、深海は、俺たちのところにやってきた。

「航ちゃん!抹茶ちょっと頂戴!」

航は、ん、と言いながらアイスを差し出す。深海は、ありがとうと一言言ってそのアイスを口にする。


…ってそれ、間接キスじゃねーかっ!

「深海は、何食ってんだ?」

「ふぇ?あー、ソーダ味だよ。」

カップのアイスを美味しそうに頬張りながら言う。

「海渡も食べる?波流もいる?航ちゃんはどーする?」

波流は、すぐに、食べるー!と返事をする。

航も、もらうみたいだ。

いくら幼馴染とは言え、俺たちは男女なのに、大丈夫なのか?

とも思うが…。

「く、食う。」

深海は、分かったと返事をして、波流にスプーンを差し出した。

その手を航は掴んで自分の口にスプーンを運ぶ。

「甘い。」

と、一言だけつぶやいた。