ロビーで航ちゃんを柴田先輩とともに待つ。
「あいつ、毎日来て、週に3回プール入って、週に4回はジムでトレーニングしてるんだよ。まだ、シンクロは好きみたいだね。」
柴田先輩は、笑った。
「俺あいつが水瀬行くとは思ってなかったな。湧泉でも、95%受かるって言われてたのに受けてなかったし。」
湧泉に、95%
すごい…
「理由聞いたら、湧泉は、狭いって。」
意味わからないけど、なんかわかるような気がする。
湧泉を見に行った時のなんだかわからない窮屈感を思い出す。
校舎自体は狭いわけじゃなかった。
でも、何か、物足りなくて、何か窮屈な気がして…。
「俺は深海ちゃんが、水瀬って聞いた時も驚いたな。万年学年1位で、県内の模試も万年1位。全国模試ですら、5位以内に必ず入る。だから、びっくりしたよ。」
「水瀬の方が家から近いんで。」
朝寝坊できるでしょって冗談めかして、笑う。


