「ってことがね、昨日あったの!」
次の日早速バスケ部で航ちゃんを見つけたことを幼馴染である、海渡に、報告する。
「航、シンクロをやめたってことか…。」
男子シンクロ。この高校の水泳部は、競泳は、やっていない。
この高校の水泳部=男子シンクロ部。
幼い頃から妙に泳ぎが綺麗だった航ちゃんは、海渡を筆頭に何人かで作ったシンクロのチームに入った。
そのチームは、一人の男の子が、やめるといいだし、意地になってチーム自体をなくすと言い出した海渡の手によってなくなった。
でも、航ちゃんは、それからもプールに行ってはシンクロの動きを練習していた。いつでも、またチームが復活できるようにって。海渡が泳ぎたいって言ったときのためにって。
なのに………。
「え、航ちゃん、シンクロやめたの…?」
男のくせに女の子らしい可愛い幼馴染波琉が、口を挟む。
「そうみたいなの。」
「っし!今日、航んち行くぞ!」