「航、シンクロやめたのか?」
「俺より先にやめたお前にそんなこと言われたくねぇよ。」
そう。海渡の方が航ちゃんより先にシンクロをやめてる。
海渡は、後悔して、また始めたけど、航ちゃんの方が続けてたのは長い。
海渡だって一度辞めたあとのブランクあったし。
波流も、海渡と同じ。
「波流は、海渡が、航ちゃんにそんなこと言う権利ないと思うな。でも、波流も航ちゃんが辞めた理由は気になる。」
「シンクロなんてやってねーよ。中学二年までは柴田のうちのプール夜借りてたけどな。」
柴田のうちのプール…
「柴田先輩の⁈」
柴田先輩といえば、中学校のとき一番お金持ちで、一番イケメンと言われていた先輩で、リゾート地の経営をしていて、プールの経営もしている。
プールは平日の昼間は、スイミングスクール、土日は解放している。
だけど、あそこ、5時までのはずじゃ…。
海渡たちは、無理行って昔習ってたスイミングスクールのを、五時から二時間借りてたんだっけ。夏は学校のプールで。
「5:00から二時間毎日借りてたんだ。」
海渡と同じ…!しかも、スイミングスクールと、柴田先輩の家のプールは、正反対の上に、スイミングスクールは、中学に近くてここから自転車で30分かかる距離。
逆に柴田先輩の家のプールは歩いて10分。


