部屋に入って一息つく。
何で、お兄ちゃんと一緒にいちゃダメなんだろ?
まぁいっか。
今一番大切なのは、なんで航ちゃんが、シンクロをやめたのか、
それだけ。
私の机の上にはみんなが仲良かった頃の写真。みんな笑ってる。
航ちゃんも、すごく笑顔なのに…。
「深海ー?準備できた?」
そうだ、思い出なんかに浸ってる余裕はないんだ。
航ちゃんと、海渡がどうなっているかも気になるし。
「もう少し!」
そう叫んで、航ちゃん家に泊まるようセットを持って、明日の用意を手に持つ。
そして、鍵をかけて下へおりて行く。
「水希ちゃん、ごめんね。」
待たせちゃってと付け加える。
「いいわ。久しぶりにヒロくんとも、話せたし。」
そっか、と水希ちゃんに告げる。
お兄ちゃんも笑ってる。
私なんか、全然喋れないのに…。
「じゃぁな。深海。」
「、うん。」
なんだか、ひっかかる。


