その日の夜、海からLINEがきた。
【なぁ、凜にお礼を言いたいってやつがいるんだけど、そいつに凜のLINEあげていい?】
んー…どーしよ。
まぁ、いっか。
【いいよ】
誰だろ。お礼とか別にいいのに…。


そして、海が言っていたその友達からLINEがきた。
【こんばんわ!ドーナツありがとう!】
わぁっ!ほんとに言ってきた…。
【いえいえ!ドーナツおいしかったですか?】
【うん!おいしかったよ】
よかったー。喜んでくれた!
私が作ったわけじゃないけどね…ハハッ…。


それが、私とあなたの出会いでした。

それからほぼ毎日、LINEをした。

彼の名前は広海くん。
海とおんなじ高校の1年生。
私と同い年ってことになる。

そして、ある日…。
【ねーねー、女の子と電話したことある?】
数分後、返信がきた。
【いや、ないよ】
【じゃあさ、電話してみよ!】
【うん…緊張する…】
かわいー…。
男の子なのに女の子みたい…。

【じゃあ、かけるね】

トゥルルルルル…トゥルルルルル…「あ、もしもし…」
『もしもしっ…広海くん?』
「そーだよ。凜?」
『そーそー!なんか、緊張するねっ』
「うん…」
うわぁ…やっぱり緊張するなぁ…。
なに話そうかな…。
無言だけは嫌だし…。よし!質問してみよ!

『あ、そーだ。広海くんは、何部に入ってるの?』
「俺はバスケ部だよ。凜は?」
『私はね、バレー部だよ!』
「そーなんだ。ゴホッゴホッ…」
『風邪引いてるの?大丈夫?』
「大丈夫だよ。ありがとう」

それから学校のこととか部活のこととか、30分ぐらい電話した。
『じゃあ、もう寝るね。おやすみ』
「うん、おやすみ」

会って直接話したことがない人なのに、いきなり電話しちゃった…。楽しかったなっ♪

その日から、少しずつ広海くんのことが気になってきた。
なんか、話すのだけでうれしい…。
これって…好きってことなのかな…?

そして…私は広海くんのことを好きになった。