ねぇ、君は覚えてますか。

初めて会ったときのコト…。


「じゃあ、凜バイバイ。また明日ねー」
「うん。バイバイ」
あーー、楽しかった!
やっぱり春と遊ぶの楽しい。

自転車に乗りながらそんなことを考えてたとき、公園からかに呼ばれた。
ん?誰だろ…。

「よぉ。どっか行くのか?」
「おー!海、久しぶりー。春と遊んでたの。これから帰るんだー」
中学のときの友達の海だった。
中学を卒業して、高校がちがうところになったから久しぶりだー。中学のときから変わってない。

「そーなんだ」
「海は?みんな友達?」
海の周りには4人の男の子がいた。
みんな知らない人だ…。誰だろー?
「そーだよ。あいつだけサッカー部で、あとはバスケ部のやつら」
「そーなんだー。仲いいんだねー」
「おぅ。」
「じゃあ、またね。学校頑張ってね!」
「じゃあな」
久しぶりに話せてよかったなっ♪
みんなかっこよかったなー…。よし。帰ろ。


その日から2週間が経ったある日、学校から帰る途中に電話がかかってきた。
あ、電話だ。誰だー…え?海からだ。なんだろ…。

『もしもし』
「あ、凜?あのさ、ドーナツ買ってきてくんね?」
『まぁ、いいけど…。何人分?』
「ちょっと待ってな。……10人分!」
『そ、そんなに…。みんな何ドーナツがいいの?聞いてみて』
「ポンデリングが5個で、それから……」
めんどくさい…。まぁ、いっか…。
『じゃあ、買ったら駅前の公園に持ってくね』
「おぅ!待ってる」

10個とか…自転車のかごに入るかな…。
頑張ろ…。

あぁ…疲れた…。
海、どこだろ?

「凜ー!友達がドーナツ買ってきてくれたぞ!」
「ちょっと海…。重かった。」
「はいはい。ありがとな」


私は知らなかった。
この時がきっかけで、私とあなたの距離が少しずつ縮まっていくのを…。