谷口は手っ取り早くこの事件を終わらせようと聞き込みを開始した。
 
 しかし聞き取りを始めると逆に私達の謎と不安は増すばかりであった。

谷口
「知らない?」

女性
「そう言われると気になるわね、でもここのマンションは新しいから由縁は皆知らないと思うけど、じゃあ研究頑張ってね」

荒木
「だっ団地妻。

 はっ!おいっこれで三人目だぞ?

 おかしいだろ」

谷口
「皆気にしてなかったって?

 隣にあるのに」
 
 私はマンションの上から神社を見下ろしていた。
 
 木で隠れているが谷口が言った通り確かに五角形になっている。

 そこに人影は無い。

谷口
「管理人さんもいねーみたいだし、帰ってアニメ見よっか?」

小山
「いや、入ろうよ」
 
 二人は黙った。

 私は黙った二人を見て少しからかってみたくなった。

小山
「見てきてよ」

荒木
「やめようよ、どうせ何も無いって」

谷口
「下手な好奇心は災いの元だって」

小山
「逃げられないオカルトは無いんじゃなかったっけ?」

谷口
「だから逃げるんだよ、ヤバそうだ」

小山
「じゃあ、あたし行こ」

谷口
「じゃあ僕達はこれで」
荒木
「明日また学校で」

小山
「待ってよ!

 信じられない!

 普通ついて来るでしょ?」

谷口
「アニメ見るっつてんだろーが!」

小山
「あれは6時からでしょ!」

谷口
「お前も見てんのかよ!

 名作だなあれ!
 
 分かった行くよ!
 
 なめんな、あれは録画してもらってんだよ!
 
 行けばいいんだろ?」

荒木
「絶対何もない!絶対だ!」

小山
「最初はグーじゃん拳ホイっ」
 
 咄嗟にじゃんけんをふられた二人はグーで私はパーを出した。

小山
「いきなり言うとグー出してまうねんなー?」

谷口
「汚ねー」
荒木
「なんのじゃん拳?」

小山
「第一侵入者」

荒木
「そういうのは俺って決まってるんだよ」

小山
「何で?」

谷口
「俺が隊長でゼロは兵隊だからな」

荒木
「一回先に行かせたらパニックになったから」

谷口
「荒木をびびらせようとしただけだし」

小山
「動揺して荒木って言ってるけど?」

荒木
「名前で呼ぶな!谷口!」

谷口
「聞かれたらどうする!

 荒木!小山!」

小山
「呼び捨てにするな!

 オカルト研究部部長の谷口!」

谷口
「小山友子!…さん」
 
 私達はマンションを降りて神社に向かっていった。