私達三人は町の西側の駅の近くにに来ていた。

 オカ研の二人は私にあだ名の重要性をひつこく説いていた。

荒木
「というわけだから、相手に本名を知られると不味いわけだ。

 呪われるぞ?

 名前を知られたらひょうたんに吸い込まれっぞ?」

谷口
「その心配は無いだろ?でかいし」

小山
「でかく無い!二人が小さいだけやんか」

谷口
「エース、思春期の男子の成長率を侮るなかれ」

小山
「エースってそれやめてーって着いた。

 ここやけど」

谷口
「おー雰囲気あるねー」

 荒木はすかさず備品のカメラで写真を撮った。

 二人は何も考えず壁へと近づいて行ったが私は少し怖くて後ろから見ていたが、谷口が私を手で呼んでいる。

谷口
「見ろ、あそこに彫刻が見えるだろ?」

小山
「あの亀?」

谷口
「玄武だよ、しかもこの社は五角形じゃないか?」

荒木
「五角形の社とは珍しい」

小山
「だからなんなんよ?」

谷口
「いいか、京都ってのは風水の4神に基づいて作られたとされてるんだよ。
 
 玄武、朱雀、白虎、青龍って名前を聞いた事位あるだろ?」

小山
「うん、まあ…」

谷口
「その四神が座しやすい地形から京都に都を作ったんだ。
 
 結界を張って外から邪なものが入らないように」

荒木
「でも失敗した」

谷口
「荒木の言う通り。
 
 お前にも前に話した通りだが、壁を作ると確かに外からのものは防げる。
 
 しかし京都で生まれた邪念は外に逃げずに滞った為、京都は魑魅魍魎の世界となったそうな。

 とここまでは有名な話し」

小山
「それで?これとなんの関係があんの?」

谷口
「分かりやすく言ってやってるのに、いいか簡易的で小さい京都と一緒なんだよここは。
 
 しかも四神なら四方形で良いだろ?

 これは五角形。
 
 ここからじゃ見えないけど四神に麒麟って神獣を足した、より強力な五点結界だと思う」

荒木
「て言うかこんなのまじで見た事ない、普通なら観光名所になっててもおかしくないよな?

 なあ隊長」

小山
「京都なんてほとんど見向きのされてない神社や寺なんて腐る程あるじゃない」

谷口
「これは別だろ。

 良く見ろこのコンクリートブロック壁、外が古くて中は綺麗だぞ?」

小山
「お金が無いんじゃない?」

荒木
「お前バカだろ?
 
 普通金無かったら逆にするだろ?
 
 京都人は見栄をはる種族だぞ?

 明らかに霊力の影響を受けて時間が止まってんじゃね?」

小山
「うっさいエロガッパ、明らかなのか質問してんのかどっちよ!

 …けど確かに変な感じ、早く結論出してよ」

荒木
「カッパがエロイなんて文献あんのかよ?

 基本的にオカルトなんてパチもんなんだから、原因を解明している作業を楽しむんもんなんだよ!」

谷口
「ゼロ、興が醒めるだろ、解ってても言うなよ」

小山
「ディープな世界で理解出来ない」

谷口
「だが夕方から見たいアニメがある。

 早急に終わらせよう」
 
 私も恐らく同じの見てるとは言えなかった。