私は岡田を置いて教室を飛び出た。

 向かうのは勿論オカ研の秘密基地である。

 走りながら今までの事を思い出していた。

 騙され続けていたんだと、

 裏切られ続けていたんだと、

 三人の楽しい思い出は全て憎悪に変わっていった。

 緑のフェンスを乗り越え、隠されたロープを引っ張り縄梯子を降ろす。

小山
「てめえらー待ってろよー」

 私は言いながら梯子を登るとそこには誰もいない。

小山
「出てこい!いるのは分かってるんだから」

 姿は見えないがいつもの気配がする。

 するとどこからともなく声が聞こえてくる。

谷口
「悪かったよ」

荒木
「殴らない?」

小山
「出てこいっ!
 
 何で黙ってたのよ!
 
 親友でしょ?」

 私は彼等が死んでいる事実も認められず。

 そこにやはりいてくれたんだと分かり。

 楽しかった3人の思い出を思いだしてしまい。

 夢じゃなかったと分かって思わず泣いてしまった。
 
 私は立っていられなくなり、声を出して泣き叫んだ。

小山
「あほー!
 
 ぼけー!」

谷口
「分かった分かった。
 
 本当に悪かったよ」

荒木
「ごめんよー?」

 何時もの手が私の肩に手を置いた。

 温度を感じない。

 その冷たい手は

 とても温かかった。