私達はバス停を降り、ダッシュで京都駅中央通路に逃げ込んだ。
 
 階段があるので耳鳴りの正体が朧車ならば登ってこれないだろう。

 必死の形相をした三人をみんなは不審がっているようで恥ずかいが、そうも言っていられない。

 私達は建物の反対側に抜けタクシーに飛び乗ると直ぐに目的地を運転手に伝えた。

谷口
「安全運転で超特急で西へ」

運転手
「わけありか?任せろ」

 話の分かる運転手は裏道を制限速度ギリギリで飛ばし続ける。

荒木
「エースどうだ?」

小山
「またちょっと大きくなってきた」

谷口
「これお金、お釣りは良いですから」

運転手
「お代はいらねー頑張って青春しな」

 自分に酔っている運転手に感謝の言葉を送り、必死で鬼社へ向かった。

荒木
「足がもう限界だ」

谷口
「止まるな!

 止まると死ぬぞ!多分」
 
小山
「壁見えた」

 私が一番で壁に飛び付き乗り越える事が出来た。

荒木
「ハーハー、パンツ見えた。もうけっ!」

小山
「死ね!」

谷口
「アヤメさーん!助けて」

アヤメ
「どうしてぃ!どういてぃ!

 とっつあん!」

タタミ
「テヤンデーちくしょうめ!
 
 谷口このヤロー!3、2、1デー!

 てーへんだ!」

 小説や雑誌のせいで変な影響を受けた鬼の親子が駆けつけた。