谷口には秘策があった。

小山
「どうやって見つけんの?」

谷口
「我に秘策あり」

荒木
「隊長を信じろ」

谷口
「では作戦説明をしよう。
 
 朧車は昔物見での場所取りに負けて怨霊化したとされている」

荒木
「ふんふん」

谷口
「さらに賀茂の大路、今でいう、この場所木津川で目撃された事があるのだ」

小山
「成る程」

谷口
「つまり、木津川の伝統的な行事の開催場所をエースを連れてしらみ潰しに行けば」

小山
「耳鳴りで居場所が分かる?」

谷口
「正解、スーパー谷口君をあげよう」

荒木
「ポイント二倍だ。

 よかったなエース」

小山
「で、その伝統行事はどうやって」

谷口
「役所に行けば大丈夫」

 しかし簡単に思っていた私達は木津川市役所の掲示板に貼られた年間行事を見て膝が震えた。

谷口
「誤算だ」

小山
「伝統行事多くない?」

荒木
「京都ならではの恐ろしい所だな」

小山
「全部行くの?
 
 山とかもあるんじゃない?」

谷口
「大丈夫、大丈夫、牛車が入れる所って限られてるだろ?
 
 そうだろ?

 そうだと言ってくれ」

小山
「もっと歩きやすい靴にしたら良かった」

荒木
「痩せるなこりゃ」

谷口
「汗かくだろうから帰りに銭湯入ろうぜ」

小山
「でもタオル無いし」

谷口
「大体どこの銭湯でも十円で貸しタオル置いてるんだって」

小山
「はまってるやん」

 私達は仕方ないので近場から地道に回っていく事になった。