朝起きると父が恥ずかしそうに朝食を食べていた。


「おはよー」

谷口・荒木
「おはようございます」


「先に言っておくが、あれは君達もその内経験することだからね?」

谷口
「あっ僕は大丈夫です」

荒木
「僕も」

小山
「なりなくない大人みたいな?」


「なりなくなくても大人になっちゃうんだな、これが」


「お酒は節度を守って楽しみましょう、君達もパンで良い?」


「大いに楽しんではいるんだが、おっ時間だ。
 
 良いね学生は休みが多くて、じゃあ行ってきます」

小山
「しっかり稼いで来てね」


「はいよ」

 父は二日酔いで痛む頭を押さえ出勤した。

 私達は手の込んだ朝食を胃袋に詰め込み、身支度を整えると直ぐに朧車を探すべく出発した。

小山
「行ってきます」


「また来てね」

荒木
「今日も良いですか?」

小山
「駄目」

谷口
「ご馳走様でした」


「感謝は大事ね、ね友子?」

小山
「いつもありがとう母さん」


「素直で宜しい、行ってらっしゃい」

 目指すは過去に朧車の目撃があった賀茂の大路、今の木津川市である。