我等オカ研特捜部

 二人が泊まりに来る理由を素直に母に言うと確実に心配されるので、文化祭の話し合いという事にした。

 わざと食事前、母に二人の家が遠方である事と話しが終わらない事を理由に宿泊の許可を得た。

谷口
「すいません急に押し掛けて夕食まで頂いて」


「いいのよ、息子が出来たみたいで嬉しいし、男の子だからと思っていっぱい作ったんだけど、美味しい?」

荒木
「美味しいです。

 本当に養子入りしたい位です」


「うふふ、良かった。
 
 楽しいわね友子?」

小山
「別に?」


「あら、やだ反抗期かしらね谷口君?」

谷口
「いやー多感な時期ですからね」

荒木
「ご飯おかわりいいですか?」


「はいはい、おかわりなんて久しぶりに聞いたわ」

小山
「あんまり食べると眠くなるわよ?」

 私の母は山盛りの茶碗を荒木に渡した。


「文化祭も良いけど、ちゃんと寝なきゃ駄目よ?

 あなた達友子より小さいんだから、可愛いけど」

谷口「えへへ」

荒木「えへへへ」

小山「きっしょい」


「文化祭は何するの?」

小山
「それは…民族風習の」

谷口
「主に近畿県内の山村部における農産物の収穫量と人口の比例関係の調査と伝統工芸や地元文化の調査です」


「まあ立派、おばさんには何か良くわからないわ、難しい事やってるのね?」

荒木
「ご飯おかわりいいですか?」


「まあ、凄い、谷口君も頑張って」
 
 谷口は口いっぱいにご飯を書き込んだ。

谷口
「うぐ、僕も、うぐ、うぐおかわり」

母「
わあ二人とも凄い、友子は…(母は私のお腹を見た)ちょっと控えた方が良いわね?」

小山
「どういう意味じゃ!
 
 荒木食いすぎ」

荒木
「いつもこんな旨い飯食ってんのか?
 
 羨ましすぎる。」

谷口
「うちは老人食みたいのばっかりだっただからなー」

小山
「うちはじいちゃん、ばあちゃん別に住んでるし」


「おじいさま、おばあさまでしょ。
 
 口悪いのよこの子、学校でもそう?」

 私は谷口を睨んだ。

谷口
「滅相も無い」

私 
(最近アイコンタクトが出来る様になってきた)

谷口
(最近脅される様になってきた)

荒木
(もう一度おかわりしたらさすがに引くだろうか)


(どちらが友子の本命かしら?)

 それぞれの思惑はよそに夜はふけていった。