~私の場合~

 馬肥ゆる秋。

 学童達は各々喜びを分かち合い勉学に励む。
 
 紅く染まる葉の下で喜び浮かれる女学生達。
 
 嗚呼素晴らしきかな青春の光景。

 暖かき日の光が中庭を照らし、ラヂオが陽気に歌を歌う。

 これぞ平和。

真奈美
「何ゆーてんの?」

小山
「最近平凡な日常が素晴らしく感じて」

真奈美
「ドラッグは駄目、絶対」

小山
「そんなんちゃうって」

真奈美
「でも最近楽しそうやね」

小山
「あたしも部活入ろと思って、打ち込めんの見つけたから」

真奈美
「いいね!飛び出せ青春!何すんの?」

小山
「オカルト研究会特捜部!」

真奈美
「どうしたん友子?大丈夫?」

小山
「妖怪面白くってスリルもあるし」

真奈美
「そらあの顧問はスリル満点だけど」

小山
「入部届けもらいにいこうや」

真奈美
「本気なん?だって」

小山
「あの根暗達も喜ぶぞー!」

真奈美
「喜ぶ?気持ち悪ー」

小山
「友達になった」

真奈美
「あんたほんま変人扱いされんで?」

小山
「マイノリティってかっこいいよね」

真奈美
「…それは、かっかっこいい」

小山
「真奈美も入ってや」

真奈美
「嫌だって私怖いの嫌いだから」

小山
「んーせっかく鬼に合わせてあげよと思ってたのに」

真奈美
「せっかくって何?

 あげよって何?
 
 鬼って何?

 やめてよ色んな意味で怖い」

小山
「そりゃそっか」

 私は親友の真奈美には心配を掛けないようにと鬼社へは連れて行くのを諦めた。
 
 入部届けを出したらあいつらどんなリアクションをとるのか今から楽しみだ。