思わず大声を出してしまい洗面所のドアをコンコンと叩かれた。



「彩月さんどうかしました?」



「な、何でもないです。すいません、いきなり大きな声出して……」



本当に何してんの、私……



恥ずかしくなり急いでリップを塗って洗面所を出ると、外に私服姿の千尋くんが立っていた。



「わっ、びっくりした……」



「驚かせてすいません、朝飯出来まし…」



するといきなり私の顔を怪訝そうに覗きこみ、腕を引っ張ってリビングへ連れていった。


そしてティッシュを2、3枚取り腰を屈め、私の顔を近付ける。



「ちょっ、ちょっと何……」



「少し口閉じててください。」