その男、小悪魔につき。【停滞中】




えっ……


千尋くんは私の顔の横に手をついて、私の体に跨がった。



すると驚いた顔の私を見て、涙ぼくろのある瞳を細めて微笑む。



「素直に寝ない彩月さんがいけないんですよ?」



ゆっくりと顔が近付いて、私の首もとに唇を這わせた。



「やっ……ちょっと待っ……」



必死に胸板を押すが、びくともせずに千尋くんは行為を続ける。



唇を首から移動して、私の髪に指を絡ませながら頬や額にキスを落としていく。



「…ちょっ」



「ここに、キスしたい……」



私の唇をなぞり、余裕のない表情を見せる千尋くんに胸が締め付けられる。



駄目、って言わないと……



頭ではそう考えているのに声に出せない 。



するとOKと受け取ったのか、千尋くんは優しく唇を重ねた。