その男、小悪魔につき。【停滞中】





やっぱり立派なマンション……


駅からほぼ直結している千尋くんのマンションは、絶対に私より家賃が高いはず、とそびえ立つマンションを見上げてそう思った。



必死に働いている自分より、大学生の千尋の方が良いマンションに一人暮らしをしている事が何だか腑に落ちない。



私なんか仕送りしてる側だし……良いなぁ~。



そんか事を考えながらエントランスへ入り、千尋の部屋番号を押す



「805、っと……。あれ?」



応答がなく、困惑していると無言でドアが開く




「入って良い、ってことだよね……」



エレベーターで8階まで上がり千尋の部屋の前に立つと、変な緊張感が出てきた。