「お、王子!?」


「うん、王子」



…王子って片桐くんのことでしょ?





「あたしと王子、なんの関係が…?」


ただ話しただけなのに、そんな大変なことなの!?



すると、周りの女子からの声が聞こえた。


「うわぁ…、神無月さん、自覚なしとか」


「ね、昼休み屋上で2人きりだったり」

「一緒のとこでアルバイトしたりしてたのにねー」









「らしいけど…歩香心当たりは?」


夏目くんがあたしに聞いてくる。  




「違うけど違くないっていうか…っ!
屋上のは、お礼言いにいっただけだし、
アルバイトは店長さんのススメでっ!」




あたし、今めっちゃ必死です。



だってただでさえあまりクラスに馴染んでないのに、浮いちゃうもん…




「わかったわかった笑
そんな必死にならなくても俺にはわかったよ。」



夏目くんがあたしの頭にポンと、手をおいた。