あたしがテンパってると、横から王子がでてきた。
「歩香は多分大河のこと知らない。俺も知られてなかった」
「えぇぇぇええ」
そんなびっくりされても、困るし…
やっぱり謝るべき?
「あ、あの…、北山くん?」
「あ、大河でいいよ!」
「う、うん。えっと、大河くん?あのさ、ドアの前にいたよね?……見た?」
そう。あたしが気になったのはそこ。
大河くんが何者がなんて正直あまりなにも思ってない。
問題は…札かけてなかったから…
覗かれてないかってこと……
「うん!見たよ!」
………は?
なにあっさり言ってんの……ぉぉお!?



