お嬢様のくせして面白いやつだったな…
そんなのんきな俺がポストに新聞を入れようとしたとき、視線を感じた。
そして、そっちを見ると、お嬢様がたっていた。
おい…こんなでけぇ家のお嬢様がこんな暗い時に外でるなよ…
「あ、お前か。こんな早くだけどどーしたんだよ。お嬢様が危険だぞ」
しかし、お嬢様は大丈夫です、と言った。
そして、何かそわそわしてんなーとか思ってたら、やっと口を開いた。
「あの、これ…」
お嬢様が差し出した右手には、俺がなくしたと思っていた、銀色の指輪があった。
大事に握りしめていてくれたみたいで、お嬢様の手には指輪の丸い痕がついていた。
「落ちてたんですけど…違いますか?」
あぁ、ここに落としちまってたのか。
「さんきゅー!」
俺は、指輪を受け取った。