「ふぅん。歩香ね」
俺は歩香の顔をじっと見る。
「な、なんですか」
歩香は俺を軽く睨む。
俺を睨む女子なんているのか、
そこで新たに学んだ気がした。
「いーや。よろしくな、歩香」
「なっ!!」
いきなり呼び捨てにされたからか、歩香は真っ赤になる。
さっきも小声で言ったのにな…
「何組?」
「1年B組です」
「へー、となりなんだ」
「そーですね」
俺に対してどこか素っ気ない歩香に俺は興味が湧いていく。
「隣のクラスなのに、知らなかったのか、俺のこと。」
「えっ、」
歩香はあたふたしていて、それを見て、女嫌いだったはずの俺はなぜか、可愛いとか思ってしまっていた。



