【完】貧乏な王子様!?





「へぇ…俺のこと、知らないんだ?」



俺はソイツの何が気に入らないんだ?

自分でもよくわからないけど。



「えっ…」



その女は肩を震わせている。
確かに、さっきみたいに俺が女共に囲まれてるところを見たあとに、知りませんって言ったんだもんな。



「あ、あのっ、ホントすみません…」



そこまであからさまに落ち込まれると、こっちが悪いみたいじゃないか。



俺は、ソイツとちゃんと向き合った。




「別に。知らなくてもいい。名前は?」


その女はえっ、と言って。



「神無月歩香です」



といった。