「…この何年間か。歩香と一緒にいて… 一緒に、すごしたが…歩香の傷は、私では無理だった。」 そして、お父様はにっこり微笑んだ。 「けれど…キミなら、平気だろう。」 「え?」 「…片桐くん、キミに歩香を委ねるよ。 …神無月家もな。背負えるならの話だが。」 その瞬間、あたしは蒼くんに抱きついた。 ボロボロとあふれてくる涙なんか、気にしなかった。 「やったよ、蒼くん、蒼くん!!」 「ハハハ。俺、ダメかと思ったわ。」 そして、あたしたちは手をつないだ。