あたしは玄関の扉をあけた。
やっぱり…そう思った。
そこにはたくさんのメイドと執事がいた。
「歩香お嬢様。やはりここにおられましたか。お戻りください。旦那様もお怒りでございます。」
そういった執事にあたしは冷たく言い放った。
「…悪いけど。帰って頂戴。」
メイドも、執事も、そして蒼くんも
驚愕の表情を浮かべた。
「…お嬢様…?」
そう呟いたのは、逆塚さんだった。
「…ごめんなさい。あたし、鈴村様とは
結婚したくありません。」
「何故です!?」
「想い人が、いるからです。」
…あたりは静まり返った。