「ねぇ蒼くん。」 あたしはそっと話始めた。 「あたしね…。前も話したとおりね… お父様に感謝してもしきれないくらいの 感謝をしてる…。恩返ししたい…。けどね どうしても…どうしても…っ。蒼くんは 譲れなかったの」 蒼くんは、目を見開く。 「…蒼くん、スキだよ。大スキだよ。 愛してるよ…。」 あたしはぎゅっと蒼くんを抱きしめた。 そして、蒼くんもあたしに手をまわした… そのとき、 ピンポーン… チャイムが鳴った。