「…碧。さんきゅーな…」
そんなあたしたちを見て、蒼くんが
呟いた。
「…それと歩香。…どーするんだ?
さっきの話聞く限り、帰れるのか??」
…確かにそこは問題だ。
家を飛び出してきちゃったから…
今更帰れない。
そもそも、あんなにお世話になった
お父様を、あたしは裏切ってしまったんだ
そのとたん、涙が溢れた。
あたしの口からは、
「ごめんなさぃ、ごめんなさぃ…」
その言葉しか発せなかった。
「…歩香」
その時、あたしの肩の上に蒼くんの手が
のった。
そして、ぎゅっと抱き寄せると優しく
包み込んでくれた。