なんとなく、思ったんだ。 ここが、あたしの居場所かなって。 「…歩香さん。」 ポツンとあたしの名前を呼んだのは、 碧くんだった。 「おい碧。歩香のこと、 下の名前で呼ぶなよ」 蒼くんは何故か碧くんにキレた。 「歩香さんの名字知らないから。 はい、黙ってて。」 「はぁ?」 …すごい。蒼くんに勝てる人なんているのか…。 あたしだって、大河くんだって 負けてばっかりなのにね。 …けど。 ものすごくいい兄弟だなって思えた。 1人っ子のあたしにはない絆なんだって 思った。