「はぁ、はぁ、はぁ」 必死に走る道は、もう暗くて見えにくくなっている。 時間は21時。 秋だからか。 …そこそこ暗い。 あたしは、行ったことのない、いつも、大好きな背中が歩いてく道をただひたすら走っていた。 ある程度、走ったと思う。 お父様…心配してるかな。 あたしはそっと携帯をひらいた。 「…着信、なし。」 あたしははぁっとため息をついて、また、走りだした。