「え、そなの…?」

一瞬、夏目くんの顔が歪んだ気がした。

だからかな…?
あたしは急いで弁解した。


「ち、違うよ!朝、車にひかれそうだったのを、助けてもらったの!その人の制服が同じ高校で…それで、お礼言おうと思って捜しにいくの!!」


自分でも驚くくらい早口で。
そして、勢いよくしゃべって。

「あ、ごめん…」

今更、自分が喋りすぎたのに気づいてあたしは急いで謝った。

「ちがうよ!謝らないで!そっか、そーゆーことなのか。よかった。」

夏目くんは、ホッというとあたしに向き直った。

「いってらっしゃーい♪」

「はーい!」


あたしと菜子は、その人を捜しに廊下にでた。